蛍光ランプとは
■蛍光ランプの発光原理■
蛍光ランプは、低圧の水銀蒸気とアルゴン、クリプトン、ネオンなどの低圧不活性ガスとの混合気体中の放電により効率良く発生する紫外放射が、ランプのガラス管内面に塗布してある蛍光物質を刺激して、可視光を発生させています。従って、蛍光物質は、眼に見えない紫外放射を、可視光に変えるための波長変換器であるといえます。
最初に、電極に予熱電流を流し、電極温度を高めたり、両電極間に高電圧を加えることにより放電(気体中を電流が流れることを言います)を起こさせます。いったん放電が起きると、電極は、特に電極加熱がなくても電子の衝突により自ら高温が保たれるうえに、放電による発熱で水銀の蒸気圧が高まり、電流が増加しますが、安定器との組み合わせにより、最適値でバランスの良い状態で放電が続くように設計されています。
一方、放電により電極から出て来た速い熱電子は、水銀原子と衝突し、両者の間にエネルギーの授受が行われ、その結果、水銀原子より主に253.7nmの紫外光が放射されます。この紫外光が蛍光体に当たり再びエネルギーの授受を経て可視光が放射されます。

■電極について■
蛍光ランプの両端にある電極は、普通、タングステン線を、2重又は3重にコイル状に巻いたもので、表面にバリウム、ストロンチウム、カルシウムなどの酸化物より成る電子放出物質が塗布されています。
この電子放出物質は、ランプの点灯と共に徐々に蒸発飛散して行くので、これの保持量及び消耗速度がランプの寿命に大きな影響を与えます。
■蛍光体について■
蛍光ランプより放射される光の波長や色は、バルブの内面に塗布してある蛍光体(蛍光物質)の化学組成によって決まります。赤色、緑色、青色を発光する蛍光体の組み合わせにより、さらにいろいろな光色を得ることもできます。
従来、最も一般的なものは白色及び昼光色でしたが、現在では明るくて演色性に優れた3波長形蛍光ランプが一般的となっています。

■インバータ回路と一般形安定器の違い■
・インバータ回路の場合
インバータ(周波数変換装置)は、50・60Hzの電源周波数を約45,000Hzの高周波に変える装置です。
蛍光ランプを高周波で点灯させると発光効率が上昇し、一般の安定器による点灯よりも数段明るく、チラツキもありません。
・一般の安定器の場合
蛍光ランプは、負性放電特性を持っているため、ランプに流れる電流をコントロールしています。
ランプの始動に必要な電圧を与え、ランプに適した電流を流す役割をはたしています。
蛍光ランプの諸特性
■蛍光ランプの外観上の種々の変化について■
蛍光ランプの外観上の種々の変化について蛍光ランプの動作に水銀は必要不可欠の物質であり、寿命末期までの動作を確実にするため、必要量の水銀が封入されています。その水銀の存在により、次のような外観的な特有現象が起こります。これらはよく不良と間違えることがありますが決して不良ではありません。蛍光ランプ特有の現象として正しくご理解ください。

■寿命に影響する諸条件■
蛍光ランプの電極部は、細いタングステンのフィラメントにエミッタ(電子放出物質)を塗布したもので、蛍光ランプを点灯するとエミッタが漸次消耗していき、無くなるとランプが点灯しなくなります。
すなわち、蛍光ランプの寿命はエミッタの損耗により決まり、電極の構造やタングステンフィラメントの設計、エミッタ材質などが、蛍光ランプを設計する上での重要な要素となるわけです。個々のランプには、使用材料のロットや製造工程に若干の変動があるため、その寿命には多少の差があるのが普通です。
また、実際の使用条件では、電源電圧・周波数の変動、周囲温度、点灯に使用する安定器の良否、点滅回数など、種々の変動要素が寿命に大きく影響します。
■電源電圧の変動■
NEC蛍光ランプは、定格電源電圧で最も効率よく点灯するように設計されています。電源電圧が変動すると、諸特性が変化すると共に、寿命にも悪影響を与えます。
電源電圧が高いと、ランプ電流の増加によりフィラメントのスポット温度が上がり、エミッタの蒸発が盛んになるため、ランプの黒化が促進されると共に短寿命となります。
逆に電源電圧が低い場合には、エミッタの予熱が不足するため起動に時間がかかり、エミッタの損耗が多くなります。点灯してもランプ電流が小さいため、陰極降下が大きくなり、イオン衝撃が激しくなるのでエミッタの損耗が多く、短寿命となります。
従って、電源電圧の変動はなるべく定格電圧の±6%以内となるよう注意が必要です。
■点滅回数■
すでに述べたとおり、蛍光ランプの寿命はエミッタの損耗により決まりますが、これには点滅周期や回数が極めて大きく影響します。
始動時には、スタータ形蛍光ランプの場合、定格ランプ電流の約1.3倍もの予熱電流によりフィラメントが加熱されることと、グロースタータの働きでラ
ンプに高電圧が印加されます。また、ラピッドスタート形では電源投入後からランプ始動までの間、フィラメントが予熱不足のままで高い電源電圧が印加
されます。この結果、始動方式に関わらずエミッタの消耗が正常点灯時よりも激しくなるため、点滅を繰り返すほどランプの寿命は短くなります。
■ランプの取り付け■
さらに、ラピッドスタート式照明器具やインバータ照明器具に使用する場合、ランプの口金ピンとソケットの接触子との装着が不完全な場合、フィラメント加熱不足により早期黒化・短寿命となるのでランプを確実に取り付けるよう注意が必要です。
■温度特性■
蛍光ランプは、水銀の飽和蒸気圧中の放電を利用しているため、ランプの諸特性は、周囲温度の影響を大きく受けます。すなわち、水銀の蒸気圧が6〜10×10-3mmHgの時に、蛍光体を刺激する253.7nmの紫外光が最も多く出て来ます。この蒸気圧は、ランプの管壁温度が、38〜40℃の時に得られ、普通の蛍光ランプでは、周囲温度が、20〜25℃の時に最高の機能を発揮するように設計してあります。このため周囲温度が、この範囲より高くても、低くても、図-2〜6に示すように、蛍光ランプの種類によって若干異なりますが、全光束が低下するので、常温以外の雰囲気で使用する場合は、注意する必要があります。図-5、6に示す高周波点灯専用形蛍光ランプは、周囲温度35℃で最大効率となるよう設計しているため、一般の蛍光ランプに比べ高温域での使用に有利となっています。また、特に冬季においては、ランプが冷えているため、点灯直後の全光束は小さく、図-7のように、徐々にランプ温度の上昇につれて明るさも増加し安定するまでには、かなりの時間を必要とすることもあります。特に、省電力形蛍光ランプ、ライフライン236/100にはこの傾向が強くなります。

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